WordPress, Joomla!, MODXのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の違いを比較し、サイトの用途に応じたCMSの選び方をまとめます。
| Word Press | Joomla! | MODX Evolution |
適性 |
ブログ(時系列に記事を並べるウェブサイト、タグで記事をジャンル分けするウェブサイト) |
ポータルサイト、会員制サイト(ログインの必要なサイト)、100ページ以上になることが想定されるサイト |
数十ページの小規模なウェブサイト。デザイン的自由度の高いサイト。HTMLホームページからのCMS化。 |
利用実績 |
海外、国内ともにトップシェアのCMS |
海外ではWordPressと人気を二分するCMS |
後発のため、海外、国内ともにシェアが低い |
テンプレート |
WordPress用テンプレートは豊富。HTMLからのテンプレート化はスキルが必要。 |
海外ではJoomla!用テンプレートが豊富。HTMLからのテンプレート化はスキルが必要。 |
MODx用テンプレートは不要(ほとんどのHTMLテンプレートが利用可能)。HTMLからのテンプレート化が容易。 |
デザイン性 |
ページごとのレイアウト変更、同一サイト内での複数テンプレート利用にはPHPの編集が必要。 |
ページごとのレイアウト変更が容易。Ver.2.5以降、同一サイト内での複数テンプレート利用が可能。 |
ページごとのレイアウト変更が容易。同一サイト内での複数テンプレート利用が容易。 |
会員 管理 (排他制御) |
管理画面の排他制御が可能。ユーザーの排他制御機能はない。 |
管理画面、ユーザー画面ともに細かい排他制御が設定できる。サードパーティ製エクステンションの使用で、ログインユーザー専用のメルマガ機能やSNS機能を実装可能。 |
管理画面、ユーザー画面ともに細かい排他制御が設定できる。サードパーティ製スニペットが少ないため、ログインユーザー機能の高度化には専門知識が必要。 |
カスタマイズ性 |
標準機能だけではできることが少ない。サードパーティ製の拡張機能が豊富。(ただし、カスタマイズにはPHPの編集が必要なケースが多い。) |
標準で会員管理(ログイン制御)機能や問い合わせフォーム生成機能がある。サードパーティ製エクステンションが豊富。(英語が読めればPHPの知識がなくても高度な機能を実装できる。*1) |
バックアップ機能、問い合わせフォーム生成機能、RSS生成機能、メニュー自動生成機能が標準で揃っている反面、サードパーティの拡張機能は少ない。入力欄を自由に追加できる(複数の入力欄を持てる)。 |
内部リンクの強さ |
固定ページについては、URLを変えるとリンクが切れる。投稿ページは、リンクをIDで指定すれば、URLを変えてもリンクが切れない。 |
エディタでリンク先を参照することで、リンク先をIDで指定できるため、URL(ディレクトリ構造)を変更してもリンクが切れにくい。 |
リンク先をIDで指定するため、URL(ディレクトリ構造)を変更してもリンクが切れにくい。
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引越し
(サーバ 移行・ 移設・ 移転) |
他のCMSよりも煩雑。データベース(MySQL)とFTPのデータ転送、パーミッションの設定変更、wp-config.phpの設定変更に加えて、修正すべき箇所が多い。さらに、使用するプラグインごとに確認が必要で、プラグイン数によって修正すべき箇所が増える。 |
標準機能だけならば、データベース(MySQL)とFTPのデータ転送、パーミッションの設定変更、configuration.phpの設定変更ぐらい。使用するコンポーネントごとに確認が必要で、コンポーネント数によって修正すべき箇所が増える。 |
他のCMSに比べて容易。データベース(MySQL)とFTPのデータ転送、パーミッションの設定変更、config.inc.phpの設定変更ぐらい。 |
必要なスキル |
HTML, CSS, PHP (カスタマイズにはPHPの知識が必須) |
HTML, CSS(PHPの知識があれば早く使いこなせるが、なくても困らない。) |
HTML, CSS (PHPがわからなくてもカスタマイズ可能。) |
*1MODXのスニペットに相当するコンポーネントやモジュールの種類がJoomla!は圧倒的に豊富で、かつ高機能なものが多いです。例えば、ログイン制御(会員管理)、SNS機能、メルマガ配信機能、スマートフォン対応表示など、将来的に機能を拡張する予定があればMODXよりもJoomla!のほうが適しています。ただし、Joomla!はその機能性の高さから習得に時間がかかります。また、デザイン的な制約を受けるため、既存のHTMLサイトをCMSに移行するには不向きです。
*2MODXでは内部リンクを「リソースID」で指定します。MODxの管理画面では、各ページのタイトルの右側に括弧書きの数字が表示されます。これが、「リソースID」です。MODxでは内部リンクをリソースIDで指定するため、ページのURLを変えてもリンクが切れません。MODxのリンク切れしにくい構造はSEO対策にもなります。
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